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市川 まりこ*; 飯塚 友子*; 千葉 悦子*; 鵜飼 光子*; 菊地 正博; 小林 泰彦
no journal, ,
日本の消費者は食品照射についてほとんど何も知らない状況である。この状況を何とかしたいと思い、学びや体験を重視する新しい消費者団体を設立した。消費者の立場で興味ある食品の照射実験を行い、その結果を様々な学会で継続的に発表してきた。これらの体験を通して、「低温のまま殺菌などの処理ができるメリットがある」「どんな食品にも使える訳ではない。向き不向きがある」「線量は多過ぎても少な過ぎてもダメである」などのことが実感できた。世界的には食品照射が進展しても、日本では食品衛生法で禁止されているため、行政関係者を含めた多くの国民は、「照射食品の安全性に問題があるから法律で禁止している」と思っているかもしれない。食品照射技術を進める際には、安全性確認、技術的可能性、消費者受容性が大切である。まず安全性が確認されたら、その先は、消費者や経済界の自由意思に委ねられるべきであるが、日本では最初から選択肢として存在していない。日本の食品照射の明日のために情報を共有して専門家,事業者,消費者それぞれの立場で役割を果たし、議論することが必要である。